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退職代行の費用はいくら?相場・内訳・支払い方法をやさしく解説

結論:主要タイプ別の相場早見表

運営主体目安費用含まれる範囲(典型)交渉可否追加費用の傾向向いているケース
民間業者アルバイト・パート:15,000〜25,000円正社員・契約社員:20,000〜30,000円前後会社への連絡代行、退職意思の伝達、基本的な日程調整原則不可(条件交渉は除外になりやすい)即日・時間外対応、再架電回数増、郵送実費などで上乗せ連絡を確実に任せたい、難易度が低〜中のケース
労働組合25,000〜35,000円前後(加入費・年会費が別途のことあり)連絡代行に加え、団体交渉に基づく有給・退職日の調整可(組合方針の範囲内)団交対応の工数や証明郵送等で増える場合あり有給の扱いを詰めたい、会社対応がやや強硬
弁護士着手金 50,000〜100,000円超+実費・追加報酬連絡代行、法的観点での交渉、内容証明、訴訟対応まで一気通貫可(法的手続き含む)内容証明の実費、交渉・訴訟段階の報酬が加算未払い残業代請求や損害賠償など法的争点が強い、会社が強硬

退職代行の費用は、だいたい「民間」「労働組合」「弁護士」という三つの運営主体で幅が決まり、そのうえで依頼内容の難易度や対応範囲によって上下します。まずは大づかみに相場感をつかみ、次に自分の状況に合う型を選ぶのが近道です。以下では、それぞれの特徴と費用帯の目安を、できるだけ平易に整理します。

民間業者の相場と含まれる範囲

民間の退職代行は、アルバイト・パートで15000〜25000円、正社員・契約社員で20000〜30000円前後が出発点になります。多くは会社への連絡代行や退職意思の伝達、基本的な日程調整までを標準対応とし、金銭請求などの「交渉」を伴う領域は原則として対象外です。連絡さえ確実に進めば十分というケースなら、費用を抑えつつスムーズに進みやすい選択肢になります。

労働組合運営の相場と交渉可否

労働組合が運営するサービスは、概ね25000〜35000円程度が目安で、別途で組合加入費や年会費が設定される場合もあります。特徴は、団体交渉が可能であること。有給消化の扱いや退職日の調整など、会社側と条件面を詰めたい場面で力を発揮します。ただし、どこまで踏み込むかは各組合の方針によって異なるため、事前に対応範囲と進め方を具体的に確認しておくと安心です。

弁護士の費用感(着手・実費の目安)

弁護士に依頼する場合は、着手金で5万円〜10万円超となることがあり、内容証明の発送料など実費や、交渉・訴訟段階での追加報酬が加わる形になります。法的判断が絡む難案件や、会社の対応が強硬で実質的な交渉が不可避なときに最有力です。費用は高めでも、法的に適切な手順で一気通貫に進められるため、トラブルの芽を早めにつぶしたい人には合っています。

料金が変わる3大ポイント

退職代行の見積もりは、同じ「退職を進める」依頼でも内容次第で大きく変わります。とくに影響が大きいのは、どこまでを任せるかという対応範囲、時間外や回数増による追加、そして想定外のトラブルで上位の運営主体へ切り替える場合の費用です。最初にこの三つを整理してから相談に入ると、後からの金額ブレをぐっと抑えられます。

対応範囲の広さ(連絡のみ/有給・退職日の調整まで)

費用を左右する最大の要因は、任せる範囲の広さです。会社へ退職意思を伝える連絡のみで完結するなら、必要な工数は限られ、相場の下側で収まりやすくなります。一方、有給消化や退職日の前倒し・後ろ倒しといった条件調整まで求めると、連絡回数が増え、相手企業との調整も長引きやすく、工数がそのまま費用に反映されます。自分が何を達成したいのかを「結果の姿」で言語化し、どこまでを標準で含むのか、どこからが追加になるのかを事前に確認しておくと、見積もりが現実に近づきます。

追加費用になりやすい項目(深夜・回数追加・書類発送など)

初動のタイミングや連絡の難しさも金額に影響します。深夜や早朝、土日の着手、当日中の即時対応といった時間的な要請は、担当者のリソースを優先的に確保する必要があるため、追加が発生しやすい領域です。電話がつながらない、担当部署が多いなどで再連絡や再架電が増えると、想定より工数が積み上がります。さらに、内容証明や配達証明といった書面の発送では、郵送実費や作成の手間が別建てになることがあります。どの条件で追加が発生するのか、回数や時間帯の上限、実費の扱いと返金経路まで、事前に線引きを明確にしておくと安心です。

トラブル移行時の切替費用(労組/弁護士)

相談開始時は想定していなくても、会社の対応が強硬で「本人以外と話さない」「退職届を受け取らない」といった事態に発展することがあります。この段階で、民間から労働組合、あるいは弁護士への切り替えが必要になると、すでに支払った基本料金は原則としてそのままで、上位の対応費用が上乗せされる形になります。結果として総額が跳ね上がりやすいため、初回の相談時点で切替条件とおおよその追加費用、切替に要する期間や手続きの流れまで確認しておくのが得策です。もし強い交渉や法的判断が避けられないと感じるなら、最初から労組や弁護士を選ぶ方が、時間と費用の総量を抑えられる場合もあります。

費用の内訳を分解:基本料/回線・回数/時間外/郵送費

見積もりで「思ったより高くなった」と感じる多くの理由は、費用の内訳を事前にイメージできていないことにあります。退職代行の料金は、大きく「基本料」と「運用に伴う変動費」に分かれます。基本料には相談の準備から初回連絡までのコア作業が含まれ、変動費は実際のやり取りの回数や時間帯、書面発送の有無などによって上下します。自分のケースで発生しそうな要素を前もって洗い出し、どこまでが定額に含まれ、どこからが追加になるのかを確認しておくと、総額のブレを小さくできます。

基本対応に含まれる典型項目

多くのサービスで共通するのは、初回ヒアリング、会社情報の整理、退職意思の伝達、そして退職日確定までの基本的な連絡調整です。ここまでが「基本料」で賄われるのが一般的で、メールや電話による往復も、想定範囲内の回数であれば追加になりません。進行に合わせた状況報告や、会社側からの折り返しの取り次ぎも、標準のフォローに含まれることが多いです。一方で、有給消化の踏み込んだ調整、退職日の強い前倒し、他部署を巻き込む横展開などは、追加の工数として扱われやすく、ここから変動費が立ち上がります。まずは自分の希望が「連絡中心」なのか、「条件の調整まで必要」なのかを明確にし、基本料の範囲と照らし合わせるのが出発点になります。

「含む・含まない」を見極めるチェックリスト

契約前に必ず確認したいのは、回線と回数、時間外、郵送に関する線引きです。まず回線と回数では、何回までの架電や再連絡が基本料に含まれるのか、部署や担当者が変わった場合の追加はどう扱うのかを確かめます。電話がつながりにくい企業では、再架電が積み重なって工数が増え、結果として費用が伸びることがあります。次に時間外の扱いです。深夜・早朝、土日祝、即日着手といった要請は、担当の確保が必要になるため、優先対応として別料金になるケースが少なくありません。希望の連絡時間帯や最短での着手可否を先に共有しておくと、追加の発生を予測しやすくなります。最後に郵送関連です。内容証明や配達証明の利用は実費が発生し、作成や投函の代行手数も別立てになることがあります。実費の立替方法、精算タイミング、返金が生じた場合の経路まで含めて確認しておくと、後の行き違いを防げます。さらに、想定外の強硬対応が出たときの切替条件も重要です。民間から労組や弁護士に移る場合、既払の基本料はそのままで新たな費用が上乗せされるのが一般的です。どの時点で切替判断をするのか、追加でどれくらい必要になるのか、期間はどの程度延びるのか。ここまでを事前に合意できていれば、見積もりと実際の差は最小限に抑えられます。

支払い方法:後払い・分割は使える?

支払い手段はサービスによって差が大きく、同じ「後払い可」と書かれていても審査方法や上限、手数料の設計が異なります。まずは自分が使い慣れている方法を軸にしつつ、名義や明細の表示、返金時の経路、審査に落ちた場合の代替手段までをセットで確認しておくと安心です。家族に知られたくない事情があるなら、明細や請求名義の表記をどこまで配慮できるかも事前に相談しておくと、後からの気まずさを避けられます。

クレジット(分割/リボ)・QR決済・銀行振込の注意点

クレジットカードは審査が即時で、当日着手にも乗りやすいのが利点です。一括だけでなく分割やリボを選べる場合もありますが、金利手数料が乗ると実質の支払い総額は増えます。限度額が心配なら、事前に利用可能枠を確認しておくと決済エラーを避けやすくなります。明細の表記は事業者名になるのが一般的で、表記の調整が可能かどうかは事前に要相談です。

QR決済はスマホだけで完結でき、ポイント還元が絡むこともあります。ただし決済上限が比較的低めに設定されていることがあり、高額帯ではエラーになりがちです。返金が発生したときに同じ手段へ戻すのか、銀行振込で返すのか、処理の所要日数はどれくらいかを確認しておくと、キャンセルや一部返金の際に慌てません。

銀行振込はどのサービスでもほぼ対応しており、シンプルで確実です。一方で入金の確認に時間差が出ることがあり、即日着手を希望する場合は「入金確認後に開始」となる点に注意が必要です。名義の表示で家族に気づかれたくないなら、振込名義や明細の見え方を事前に相談して、可能な範囲で配慮してもらえるか確認すると安心です。

BNPL/コンビニ後払いの可否・審査・手数料・上限

BNPL(後払いサービス)やコンビニ後払いは、手元資金が乏しくても依頼を前に進められるのが強みです。ただし多くの場合、与信審査が入ります。過去の支払い状況や利用履歴によっては審査に通らないこともあり、通過しても上限額が想定より低いケースがあります。上限を超える分をどの手段で補うのか、二本立ての支払いが可能か、事前に運営側と段取りを決めておくとスムーズです。

手数料の負担者も見落としがちなポイントです。定額の請求手数料が利用者側にかかる設計や、締め日・支払日をまたいだ場合の遅延損害金の扱いなど、細かな条件は事業者ごとに異なります。返金が必要になったとき、元の後払い枠が復活するタイミングがいつか、返金は相殺で処理されるのか、それとも現金で戻るのかも確認しておくと安心です。

審査に落ちた場合の“次の一手”も用意しておきましょう。クレジットカードや銀行振込に切り替えるのか、家族名義や別アカウントの利用が規約上許されるのか、ルールを踏まえた現実的な代替策があると、当日の着手タイミングを逃しにくくなります。いずれの手段でも、名義や明細の表記、返金経路、所要日数まで含めて事前にすり合わせておけば、費用面の不安は大きく減らせます。

返金保証の読み方

返金保証は「結果に対する安心材料」ですが、表面の言葉だけで判断すると期待と実際の運用にズレが生まれます。見出しに大きく“全額返金”とあっても、適用の前提や除外条件、手続きの期限が細則で限定されていることは珍しくありません。まずは自分が達成したい結果を明確にし、その結果が事業者の定義する“成功”に一致しているかを確かめることが出発点になります。次に、保証を請求できるのはどの時点で、どの証跡を示せばよいのか、返金はどの方法で、いつ頃戻るのかまで確認しておくと、いざというときに迷いません。返金保証は「品質の代替」ではなく、あくまで「想定外の不成立に備える安全弁」です。保証の有無だけで選ぶのではなく、実績や運用体制、連絡の速さとあわせて総合的に評価する姿勢が大切です。

「成功」の定義例と適用除外

多くの事業者が成功を「会社が退職の連絡を受領した時点」や「退職日が確定した時点」と定義します。どちらの基準を採るかで返金の可否は大きく変わります。受領ベースなら初期段階で成功とみなされ、以降に交渉が難航しても返金対象外となる可能性があります。一方、退職日確定ベースなら達成のハードルは上がるものの、利用者の期待に近い基準といえます。適用除外としては、事前申告と異なる重大な事実が後から判明した場合、会社からの連絡を利用者が繰り返し無視した場合、規約違反や虚偽申告があった場合などが典型です。音信不通や資料未提出など、利用者側の事情で進行が止まったと判断されると、保証が切れることがあります。どの行為が除外に該当するのか、実務上の判断ラインを具体例つきで確認しておくと安心です。

契約前に確認すべき3項目

まず、成功の定義と判定のタイミングを文章で確定させます。受領時点なのか、退職日確定なのか、どの証拠で判断するのかを明記してもらうと、後の齟齬を防げます。次に、請求手続きの手順と期限を確認します。申請窓口、必要な記録(通話記録、メール履歴、会社側からの返信など)、申請から返金までのおおよその日数、返金の経路がカードの取消なのか銀行振込なのかを具体的に押さえておくと、実務がスムーズです。最後に、適用除外の範囲をケースで擦り合わせます。音信不通とみなすまでの連絡回数や待機日数、資料の提出期限、会社の強硬対応が発生した場合に労組や弁護士へ切り替えたときの扱いを事前に合意しておけば、保証の期待値と現実の運用が一致します。保証は「読めばわかる」ではなく「一緒に定義する」くらいの姿勢で臨むと、費用面の不確実性を最小化できます。

ケース別シミュレーション:実際いくらかかった?

実際の出費感をつかむために、よくある三つの状況を想定して流れと総額の目安を描きます。金額は相場にもとづく概算で、事業者や会社の反応によって上下します。ここでは、ヒアリングから退職日確定までに要した期間や、追加費用の発生ポイントもあわせて示し、「どこで金額が動くのか」を具体的にイメージできるようにします。

正社員・即日・有給消化希望のケース

平日朝に相談を開始し、その日のうちに初回連絡まで進める前提を置きます。民間の退職代行に依頼し、基本料はおよそ二万円台後半。即日着手の優先対応がついて三千円前後の上乗せが発生しました。会社側は即日で受領し、退職意思の伝達はスムーズ。ただし有給の扱いを最小限でも反映したい希望があり、上司と人事の双方に再連絡が必要となったため、想定より連絡回数が増えました。再架電の上限内に収まり追加は発生せず、配達証明は使わずにメール記録で進行。三営業日で退職日が確定し、総額は三万円台前半。もし有給の配分で強めの主張を行い、相手の反応が渋ければ、団体交渉が可能な労組への切替を検討する段階になりますが、このケースでは「連絡中心+軽い調整」で完結したため、費用は相場の中腹で収まりました。

アルバイト・音信不通整理のケース

数週間の無断欠勤に近い状態からの整理を想定します。アルバイトのため基本料は一万五千〜二万円台が目安で、今回は二万円弱。状況の説明と会社情報の整理に時間を使い、初回連絡は当日夕方。担当部署が複数にまたがっており、翌日以降も折り返しの伝言と再架電が続きました。再連絡は上限回数の範囲内で、時間外は避けて平日昼間に集約。郵送は無地封筒での退職届のみとし、実費は千円台で収まっています。四日目に退職日が確定し、貸与物は郵送返却で会社の指示に合わせました。総額は二万円台前半。音信不通期間が長いほど会社が慎重になり、在籍確認のステップが増えて連絡回数が膨らむ傾向があります。上限を超えた場合は追加単価が乗る可能性があるため、着手前に回数の考え方をすり合わせておくと、費用の伸びを抑えられます。

強硬企業で労組/弁護士切替が生じたケース

民間で着手したものの、会社が「本人以外とは話さない」と突っぱね、退職届の受領も拒み続ける状況を想定します。当初の基本料は三万円弱。二営業日ほど交渉未満の調整を試みましたが進展せず、早期に労働組合へ切り替えました。切替に伴って二万五千〜三万五千円の費用が新たに発生し、民間分はそのまま残ります。労組の団体交渉で受領と退職日確定は前進しましたが、会社側が未払い精算の協議に応じないため、最終的に弁護士への相談も実施。ここでの費用は内容証明の作成と実費、着手金を含めて五万円台からの追加となりました。全体の所要は三週間弱、総額は十万円前後まで上昇。最初から強い対立が予想できる材料があれば、はじめから労組もしくは弁護士を選ぶほうが、時間と費用の総量を抑えやすいことがわかります。切替の条件、費用の見通し、判断の基準日は、着手前に合意しておくとダメージを最小化できます。

失敗しない見積もりの取り方

見積もりで迷わないコツは、最初から「自分が得たい結果」を言葉にして、金額だけでなく作業の範囲と追加条件を同じ紙面でそろえて確認することです。費用は作業量の反映なので、連絡だけで済むのか、有給や退職日の調整まで踏み込むのか、想定するゴールが変われば必要な工数も変わります。ここを曖昧にしたまま比較すると、見積もり同士の前提が食い違い、安いと思って選んだのに後から追加が膨らむ、といったミスマッチが起きやすくなります。まずは現状、希望、期限、会社の雰囲気を簡潔に共有し、同じ条件で各社に見積もりを出してもらう。得られた金額を“総額”“含まれる範囲”“追加が発生する条件”の三点で横並びにすると、差の理由が見えます。ここまでを初回連絡の段階で行い、合意した内容はメッセージで残しておくと、進行中の判断もぶれません。

一枚で「総額×範囲×追加条件」を確認する手順

最初に、いくら支払えばどこまで対応してもらえるのかを、一枚のメモにまとめます。総額の目安と、その金額に含まれる作業、含まれない作業を同じ視界に置くのがポイントです。次に、追加が発生する具体的な条件を時系列で確認します。時間外での初動、再架電の回数超過、書面発送の要否、想定外の強硬対応が出た場合の切替など、金額が動く瞬間を前もって定義しておくと、実務で迷いません。最後に、着手から退職日確定までの目安日程と、各段階の合図を取り決めます。たとえば、いつをもって「受領」とみなすか、退職日の確定を何で確認するか、といった判定基準を共有しておくと、返金保証やオプション費用の扱いも明確になります。同じ紙面で三点を確認できる状態を作れば、見積もりの比較は短時間で済み、想定外の上振れも抑えられます。

法人情報・固定電話・約款の必読ポイント

金額だけで判断しないために、運営主体の素性も同じ熱量で確かめましょう。法人名、所在地、代表者、固定電話の掲載は、信頼性を測る基本情報です。会社の実在性が確認できるか、電話が実際につながるか、所在地が虚偽でないかを軽くチェックするだけでも、リスクの多くは避けられます。あわせて約款とプライバシーポリシーは必読です。成功の定義、返金保証の条件、時間外や再連絡の扱い、内容証明などの実費負担、請求名義や明細の表記、返金時の経路と所要日数。どれも費用や安心感に直結する事項で、ここに曖昧さがあると、進行中のすれ違いがそのまま金額の膨張に変わります。疑問点は遠慮なく書面で質問し、回答も記録に残す。これだけで、見積もりは「値段の一覧」から「合意された進行計画」に変わります。若干の手間に見えても、最終的には時間とお金の節約になります。

格安の落とし穴と回避策

料金が突出して安いサービスには、理由があります。人件費や対応時間を切り詰めている、追加費用を前提にした見せ方になっている、あるいは契約や法的リスクの扱いが甘い。こうした要因が積み重なると、最初は安く見えても、実際には連絡の遅延や追加請求、トラブル拡大によって総額が膨らみ、時間も精神的負担も増えてしまいます。大切なのは、安さそのものを疑うのではなく、安さの根拠を具体的に確かめることです。対応範囲が明確で、運用の基準が公開され、問い合わせへの反応が早いなら、低料金でも健全に回っている可能性があります。逆に、範囲が曖昧で、上振れの条件が書かれておらず、返信が遅い場合は、進行の遅れがそのまま費用と不安に跳ね返ります。契約前に情報を揃え、当日以降の連絡設計まで詰めておくことが、最終的なコストと安心感を左右します。

連絡不通/約束未履行/非弁リスクのサイン

進行中に見えやすいリスクのサインは、まず連絡の途絶です。返信が約束の時刻を大きく過ぎても説明がなく、担当者の引き継ぎも示されない状態が続くと、会社側との調整も止まり、結果として再連絡や優先対応の依頼が重なって費用がにじみ出ます。次に、約束の未履行です。何時までに架電する、どの手段で連絡する、どの記録を共有する、といった取り決めが実行されない状況が繰り返される場合、基本計画そのものが崩れ、やり直しの工数が増えていきます。さらに注意すべきは、非弁行為に触れかねない進め方です。交渉権限のない主体が、未払い残業代や退職日の強い調整など、実質的な交渉に踏み込むと、法的な問題だけでなく、会社側の反発で手続きが長期化するリスクが生まれます。民間であれば連絡代行の範囲にとどめ、条件調整が必須になった段階で、労働組合や弁護士への切り替えを検討する。こうした線引きが運営側から自発的に示されているかどうかが、健全さの指標になります。

事前に盛り込むべき契約条項

契約書と約款に、運用の基準を先に埋め込む発想が、格安リスクの最良の対策です。まず、成功の定義と判定の方法を文章で固定します。会社の受領時点なのか、退職日が確定した時点なのか、どの記録で立証するのかを明確にすれば、返金保証の運用もぶれません。次に、追加費用の発火条件を具体化します。時間外の扱い、再架電や再連絡の上限、書面発送の実費と手間賃、想定外の強硬対応が起きた際の切替判断と費用の見通しを、時系列と数値で定義しておくと、上振れが起きても説明がつきます。さらに、連絡設計も条項に落とし込みます。担当者名、連絡手段、応答の目安時間、緊急時の代替窓口、進捗共有の頻度と形式を決めておけば、個人依存のムラを最小化できます。最後に、個人情報と請求名義の扱い、返金の経路と期限、記録の保存期間と開示範囲を明記します。費用と安心を左右する論点をあらかじめ紙に落とし、双方で合意しておく。これだけで、格安ゆえの不確実性は大きく下がり、万一の際の着地点も見通せるようになります。

まとめ:費用は「総額・範囲・リスク」で比較

退職代行を選ぶときは、金額だけで決めないことがいちばんの近道です。同じ三万円でも、含まれる作業の範囲や、想定外が起きたときの上振れ幅しだいで、体験はまったく別物になります。まず、自分が到達したい結果をはっきり言語化し、その結果までを基本料でどこまでカバーしてもらえるのかを確認します。次に、追加費用が発生する条件を事前にそろえます。時間外の初動、再連絡の回数超過、書面発送の実費、会社が強硬なときの労組・弁護士への切替など、金額が動く“きっかけ”を具体的に握っておけば、見積もりは現実に近づきます。最後に、運営主体の信頼性を確かめます。法人情報や固定電話、約款・プライバシーポリシー、返金保証の定義と手続きの明確さは、費用と安心感の両方に直結します。

この三点を同じ視界に置いて、「総額」「範囲」「リスク」をセットで比べる。それだけで、安いのに進行が遅い、追加が重なって結局高くつく、といった失敗は大きく減ります。あなたの状況が連絡中心で済むのか、条件調整や法的判断まで見込むのかを見きわめ、最初の一社に相談する前に、要望と判断基準を一枚のメモにまとめておきましょう。必要な費用は無理なく、余計な出費は避ける——そのための軸は、いつも「総額×範囲×リスク」の三つだけです。

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